浪人仁さんふらり日記

殺陣好きの役者にござる。拙者が興味を持った事を江戸言葉を交えながら記述致すでござる。

仁さん夢物語 五 ヘンな生き物

日光にある霧降高原に行って参った☆
ここには展望台があり階段をずんどこ登るのだが前回は途中まで登ったところで天候が怪しくなり引き返した。
今日も怪しくなってきたが『今日は登る!』と、駄々っ子のような思いで来たため半ば『今日はやめとこっかな』と思いつつも足は展望台目指して階段を上り始めていた。(時折拙者の体は拙者の意に反して勝手に動くことがある)
えっちらおっちら登り続け半分を過ぎた辺りから多少天候が良くなった☆
足がパンパンになりながらもどうにかこうにか展望台に。
登りも登ったり1445段!
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そこからもう少し登れそうだったので登ってみたら何やら回転式の柵が。
それを潜ると、どーん!
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目の前に山が!遊歩道と言うか獣道のような物が山頂へ続いている。
『よーし!』
拙者は意気揚々、踵を返し下山した☆

では『夢物語』いってみよー☆

ちょーん♪(拍子木の音)

拙者は今『先見屋』に向かっている。近頃は退屈になると先見屋に足を運ぶようになった。先見屋の主に会いたい分けでは無い。色々と珍しい物が置いてある上よく異国の食べ物を振る舞ってくれる。これが存外美味い。拙者の口に合う。
ただ、今日はいつもと少し違っていた。拙者は珍しく手土産をぶら下げている。しかもこの辺りではなかなか名店の菓子屋の菓子折である。
なぜ拙者のような貧乏浪人が高価な物を携えているかと言うと、先日、先見屋で『ままちゃりん』なる妙ちきりんな物に試し乗りをした際、勢い余って先見屋の店内に突っ込みめちゃめちゃにしてしまったのだ。これはその詫びである。まあ、こんな物ではおさまらぬであろうが・・・。

少々憂鬱になりながらのたのたと歩いていたら先見屋に着いてしまった。

先日の事を思うと流石に腰が引ける。

『 (ごめん。さきみやはおるか) 』
思わず声が小さくなった。
流石に聞こえなかったのか返事がない。
取り敢えず暖簾を潜ってみる。
いた。
なにか生き物(?)と遊んでいるようだ。
生き物と・・・
なんじゃあれは!?

先『よーしよし。いいこいいこ♡ホントに可愛いお猫様だなー☆』
仁『(ねこ!?)』
先『よーしよし。おや旦那。いつからそこに?』
仁『さ、先見屋。その、それ、それ、』
先『?ああこの子ですか?かわいい猫ちゃんでしょー。』
仁『ねこ!』
先『はい。猫です。』
仁『それは猫なのか。』
先『やだなー、どっからどう見ても猫じゃないですか。ねー猫ちゃん♡』
猫『にゃー』
仁『な、な、な・に・が『にやー』じゃ!この物の怪め!』
先『ちょっ、旦那!やめて下さい!猫ちゃん斬らないでー!』
仁『えーいどけい!其奴は猫ではない!物の怪じゃ!おぬしは物の怪に取り憑かれておるのじゃ!』
先『物の怪じゃないです、ただの猫です!』
仁『戯け!そんな毛むくじゃらで黒眼鏡をした猫がおるか!』
先『えっ!旦那、この子が見えるんですか?』
仁『見える!お主が猫というそれは物の怪が化けておるのじゃ!其奴は断じて猫ではない!』
先『驚いたな。流石は旦那。よくこの子の正体を見破りましたね。では差し上げます。』
そう言うと先見屋はその生き物を拙者に(無理矢理)押しつけた。
先『じゃあ旦那、その子お願いします。かわいがって下さいね♡』
言うが早いか先見屋は『ままちゃりん』に跨がり一目散に走り去った。
仁『・・・は?』
こうしてこの“ヘンな生き物”は拙者と共に暮らすこととなった。
めでたしめでたし、じゃないわーヽ(`Д´#)ノムキー
仁『こぉら先見屋!待てーい!』
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ではまた次回。
これにて御免( ´艸`)☆