浪人仁さんふらり日記

殺陣好きの役者にござる。拙者が興味を持った事を江戸言葉を交えながら記述致すでござる。

仁さん夢物語 二十七 『よめの日常♪』

まずは御免なさい!
日々に追われ!怠け癖を患い!妖怪“明日でいいや☆”に取り憑かれボケラッタとすること幾星霜!
まことに申し訳御座いませぬーーー!!!!!
何卒!ひらに!ひらに~m(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m(汗)

さて、ではひさびさに参ろう!
『仁さん夢物語』
はじまりはじまり~♪

♪ちょ~ん(拍子木)

よ『春風様起きて下さい。いつまで寝ているおつもりです。春風様。』
仁『ムニャムニャ、くかー。』
よ『・・・添い寝しますよ。』
がばっ!ドタドタ!ずざざざー!ピシャン!
よ『いってらっしゃいませ(くすっ)』

・・・彼奴に良いように遊ばれている気がする。
眠い目を擦りつつそんな事を思っているところに片桐が現れた。
片『お、春風殿!丁度呼びに行くところで御座った。さ、参りましょう♪』
いつの頃からか気付けば朝早くからたたき起こされ釣りに行くようになった。片桐も何故か毎日やって来る。これは最早日々の勤めになっている。しかも手ぶらで帰ると、よめが怖い。すこぶる怖い。ただ糸を垂らしボケーッとしていた頃が懐かしい。
片『わっはっはっは☆わっはっはっは☆わっはっはっはっは♪』
片桐よ。なぜお主はいつも楽しそうなのだ・・・。
水面がお天道様の光を受けてキラキラと輝いている。心地のよい風が流れていく。
ふと
『拙者がいない間、よめは何をしているのだろう?』
と言う疑問が浮かんだ。
ねこ(ヘンテコな生き物)と遊んでいるか、錦屋の娘、すみにでも会いに行っているのか。
ひょっとすると、人でも食っておるのかな。(よめの本性は“鬼”)
あっはっはっはっ!
そんなわけないか。
そんなわけ、ない。
そんなわけ。
・・・
心配になってきた。

さて。その“よめ”である。

よ『ん。おしまい♪』

部屋の掃除、洗濯など一通りの家事を終わらせたところである。しかも手際が良い。
知っての通り、よめは妖怪座敷娘で本性は鬼である。
が、しかし。
これほど人の世に溶け込み、あまつさえ人の世話をやく妖怪がいるであろうか。この天真爛漫で武家言葉を話すおかしな妖怪は長屋連中をはじめ皆に好かれている。何とも奇妙な話である。

さ『およめちゃんいるかい?』

勢いよく引き戸を開けて入ってきたのは、この長屋に住む大工の佐吉の女房でおさきと言う。

よ『あらおさきさん。こんにちは。いいお天気ですね。』
さ『ほーんと、洗濯日和ってやつだねぇ。そうそうこれ。お裾分け。』
よ『まあ鴨!御野菜もこんなに!?一体どうしたのですか?』
さ『なにね、うちの亭主が珍しく博打で大勝ちしてねぇ。長屋の皆に幸せのお裾分けだー!何て言うもんだからこうして配って回ってんだよ。』
よ『それはおめでとうございます!でもこんなに沢山。』
さ『いいんだよ。博打で儲けた金なんかあぶく銭だし、どうせ酒代に消えちまうんだから。だったら皆にお裾分けってね。』
よ『では遠慮無く頂戴致します。』
さ『それじゃおよめちゃんまたね。旦那にもよろしくね。』
おさきはそう言って帰って行った。
よ『今夜は御馳走ね。そうだ♪』
よめはバタバタと支度を済ませると外に出た。
よ『せっかくの御馳走だし、たまには春風様に沢山呑ませてあげよっと☆』
そう言うと酒屋へ急いだ。

さて拙者はと言うと。
片『いやー春風殿。今日は厳しゅうござったな。』
仁『全くでござる。』
坊主である。
今日はどういう分けか拙者達はおろかその場にいた誰もがメダカ一匹釣れず肩を落として帰る事となった。
よめが恐い。
仁『仕方ない。よめの好物でも買って帰るか。』
懐には大打撃だが愚痴を言われるよりましである。
よめお気に入りの茶店の草団子をぶら下げて長屋に着くと何処の家からも美味そうないい匂いと笑い声が聞こえてくる。
『はて。今日は何か祝い事でもあったのかな?』
そんな事を思いながら我が家へ到着。
大きく深呼吸をする。いざ!
仁『今帰った!魚は釣れなかったがお主の好物を買ってきたぞ!』
よ『お帰りなさいませ春風様☆私に土産までありがとうございます♪さ。夕餉の支度出来ておりますよ。』
仁『う、うむ。』
随分と御機嫌だ。なんだか調子が狂う。
よ『春風様、今夜は御馳走でございますよ♪』
仁『鴨鍋か!これは御馳走だな。何事かあったのか?』
よ『実は佐吉さんが博打で大勝ちしたとかでそのお裾分けにと、おさきさんがお持ち下さいました。』
仁『佐吉が。』
珍しい事もあるものだ。まさに青天の霹靂。
よ『お酒もあるんですよ。』
仁『なに酒!?まことか!』
これは佐吉に足を向けて寝れぬな。
佐吉、ありがとう!
仁『う~ん、美味い!』
よ『さ、春風様。もう一杯♡』
美味い食い物に美味い酒。まさに天国!今日は何ていい日だ♪
よ『ところで春風様。廻船問屋の海屋さんでございますが。』
仁『海屋がどうかしたのか?』
よ『はい。人足の方が怪我をしたとかで人手が足りないそうでございます。』
仁『それは難儀なことじゃな。あそこは朝から晩まで忙しいそうじゃからなー。』
よ『では、明日からよろしくお願い致します♪』
仁『へ?明日から、よろしく・・・えぇぇぇー!?』

よめは人気者ゆえに外へ出れば町中の人から声を掛けられる。たまに頼まれ事をされることもある。
そんな時、よめはこう言うのだ。
よ『春風様にお任せ下さい!必ずお役に立ちます♪』
と。
・・・悪夢だ。

ではまた次回☆
これにて御免!

♪ちょ~ん。

仁さん夢物語☆二十六 風流

さて、久々の投稿でござる。しからば夢物語始まりはじまり~☆
ちょ~ん♪

『春風殿!』
いつものように見廻り(散歩)をしていると不意にうしろから声を掛けられた。
振り返ってみると片桐がニコニコと笑顔で立っている。
仁『お。これは片桐殿。奇遇でござるな。』
片『まことに奇遇。奇遇ついでに(酒を飲む仕草)いかがでござるか。』
仁『いいですな、と言いたいところであるが手元不如意でな。』
片『なんの。心配無用でござる。拙者たんまり(ポンと懐を叩く)ん?たんまり、たんまり・・・』
片桐は懐をゴソゴソしている。
片『しまった!巾着を忘れた!』
仁『はっはっはっ。お互いツイてござらんな。』
片『まことに。今日は役目が早く終わりましてな。屋敷に戻って着替えた時に巾着を置いてきてしまったようで。いやー面目ない。』
仁『互いに文無し。このまま立ち話もなんでござるからうちで白湯でも。なに、よめ(座敷娘)とねこ(ヘンテコな生き物)は錦屋に泊まりに行って留守でござるからなんの気兼ねもいりませぬぞ。』
片『では御言葉に甘えて。』
さて長屋に着いてみれば、あると思っていた酒は空でこれといったつまみになるような物も無い。取り敢えず白湯でもと鉄瓶を火に掛けたところで片桐がやって来た。
仁『すまぬ片桐殿。酒は空であった。代わりに白湯でも。』
片『おお、それは丁度良い。うちにも酒は無く、つまみの代わりになればとコレを。』
そう言って虎屋の羊羹を差し出した。
仁『ほ。白湯と羊羹♪』
片『見事でござるな☆』
あははと大笑いとなった☆
羊羹を囓りながら世間話に花を咲かせていると、勢いよく引き戸が開いた。
佐『楽しそうですね!あっしもお仲間に入れておくんなさい!』
この長屋に住む大工の佐吉である。
仁『佐吉か。遠慮は要らぬ。ぐっといけ。』
佐『へい。それじゃ遠慮無く☆お!熱燗ですかい。ありがてぇ。』
佐吉は湯呑みをぐっとあおり一気に噴き出した!
佐『なんだこりゃ?白湯じゃねえですかい!』
仁・片『あっはっはっはっ☆』
佐『しけてんなぁ。旦那方、羊羹囓って白湯呑んでたんですかい?呆れたねどうも。』
仁『まあそお言うな。これも存外楽しいぞ。』
片『さよう。風流でござるよ♪』
仁・片『あっはっはっはっ☆』
佐『はあ~呆れて物が言えねぇや。しょうがねえ。ここはあっしが一肌脱いでお二人に酒をご馳走いたしやしょう!』
仁『お主が?どういう風の吹き回しだ。』
佐『へっへー。実は今日ちょいとした実入りが有りやしてね。懐がホクホクなんで♪』
片『ほう。それはまた結構な事にござるな。』
佐『そんじゃひとっ走り行ってきますんで旦那方は羊羹囓って待ってておくんなせぇ。あらよっと!』
佐吉は意気揚々、韋駄天走りで出て行った☆
程なく酒盛りが始まりチョコチョコと長屋の連中が集まり始めた。そこへ先見屋が現れ更にご馳走と酒が運ばれいつしかドンチャン騒ぎの大宴会になっていた。いつの間に来たのか南町の同心、酒井まで加わっている。
皆大いに食べ呑み笑い、実に楽しい夜であった♪
次の日、よめにその話をしたら『なぜ呼んでくれなかったのか!』と物凄く文句を言われ暫く口をきいてくれなかった・・・

ちょ~ん♪

ではまた次回。
これにて御免☆

拙者の合財袋(カバン)のなかには?

今週のお題「カバンの中身」
さて。
天高く馬肥ゆる秋♪でござる☆
たまには『お題』をやってみるでござるヽ(≧▽≦)/にゃー☆
拙者の合財袋のなかにはズバリ!大した物は入っていない。
まあ、あると便利で無くてもさほど困らない物でござるな。
然らば一つ一つ出してみよう。
まずは小さな外袋(ポケット)。
うむ。小さな落とし紙(ポケットティッシュ)が三つ出てきた。
次に腕時計。何故ポケットに?と思うでござろうが、分刻みの運動をする事があるゆえその時にあると重宝いたす☆
そして最期に小さなビニール袋。小物を買ったときやゴミをいれるのに必要でござる☆
では次に本体に参ろう。
大きめのビニール袋が三つ。
買い物をするときに必要でござる☆
滅多に使わぬが大きめの筆入れ。
中には『筆(筆ペン)』一つに『ボールペン』なるものが二つ。マッキーの大きいのと細っこいのが一つずつ。赤マッキーが一つ。
ハサミと消しゴムにシャープペンシルとその芯が一つずつ。
修正液が一つ。そしてハンコ☆
筆入れの中身はこんなところじゃな。
それとは別におそらくこれが一番重宝でよく使う『折り畳み式番傘(普通の傘)』である。
こんなところでござる☆
皆様の合財袋の中には如何なる物が入ってござるかな☆
ではまた次回☆
これにて御免♪

仁さん夢物語 二十五 

片『春風殿。釣りに行きましょう☆』
そう言って朝っぱらから拙者をたたき起こしたのはこの長屋に住む浪人・・・いや、何処かの家中の侍で片桐と言う者である。
藩の用意した屋敷より長屋暮らしが気に入っているらしい。
眠い目をこすりながらごそごそと釣り竿を手に例の池へと歩いて行く。
調子の良いときには2尺ほどの鯉が釣れるのだが普段は小振りの鮒二、三匹がせいぜいである。
片桐は何時ものように他愛もない話しを楽しげにしている。
そう言えば近頃家中の侍らしき者が片桐を訪ねては楽しげに話しをしているようだ。
片桐の人柄か人を惹きつけるのであろう。
片『春風殿。』
不意に片桐は真剣な面持ちになった。
仁『如何した?』
片『およめ殿との祝言はいつ挙げるでござるか?』
仁『ぶっ、祝言!?』
遠くで鯉が跳ねた。
片『如何にも。およめ殿との仲をこのまま有耶無耶にしておくわけにはいかぬでござろう。』
仁『片桐殿、何を申される。前にも話したが、よめは知人から預かった娘でそのような仲では』
片『嘘でござろう。』
鋭い。どうした片桐。何時もと違うぞ。
片『お二人を見ておれば一目瞭然!誠に仲睦まじいことで。』
仁『いやいや、先程も申したがよめとはそのような仲では』
片『問答無用!漢なら潔くなされよ!』
いったいなんなのだ今日の片桐は。
はっ!?まさか・・・
仁『夫婦喧嘩でもなされたか?』
片『ふぐっ!?あ~!』
片桐はその場に泣き崩れた。
図星か。
聞けば昨晩酒のアテにめざしを食べていたところそれは明日の朝餉だと言われついカッとなり言い争いとなった挙げ句屋敷を叩き出されたそうだ。
片『拙者がそんなに悪いのか!たかが目刺しを一匹囓っただけで!それが屋敷から叩き出すほどの事にござるか!?』
下級武士の給金などたかがしれている。家計を切り盛りする奥方にしてみればたかが目刺し一匹と言えど一大事である。
が、そんなことで屋敷を叩き出すとは。
手厳しい奥方である。
その後も片桐の愚痴を散々聞かされ挙げ句飯屋で酒を奢り多少機嫌がなおったところで長屋に放り込んだ。
やれやれ。とんでもない一日であった。
仁『すまぬ。おそくなっ』
ごつ!(急須が拙者の頭に当たる音)
仁『な、何をする!?』
よ『何をするではございません!こんなに遅くまでいったい何処をほっつき歩いていたのですか!』
仁『いや、片桐殿と一緒に』
よ『言い訳無用!そこにおすわり下さい!』
このあとよめの小言を朝まで聞かされるハメになった。
厄日だ・・・

ちょ~ん♪
それではまた次回☆
これにて御免♪

動画♡

このあいだの動画を短くしてみたでござる♪
ちょこ~とイジってみたのでみてみてみてヽ(≧▽≦)/にゃー☆☆☆
https://youtu.be/V2OoT4_po08

謹賀新年☆

皆様あけましておめでとうございます☆
昨年拙者が“全力で遊んでみた♪”動画が一年がかりで完成致しましたでござる☆
“春風風味の特製動画☆”
どうぞお楽しみあれヽ(≧▽≦)/にゃー☆

動画はこちらから♪
    ↓↓↓
https://youtu.be/A6tFEKVUDMU

仁さん夢物語☆二十四 賊其の弐

先日通り掛かった荒ら屋の壁に“梅改めよ”と書いてあった。
梅干し屋さんだったのかな~と思いながら通り過ぎた。
しばらくして、『あ、悔い改めよ』か☆
と、気付く。
うむ。今日も天下泰平でござるヽ(≧▽≦)/にゃー☆

では『夢物語』はじまりはじまり~☆
ちょーん♪(拍子木の音☆)

仁『静だな。』
月明かりに照らされた庭を眺めながら熱い茶を啜っている。
ここは呉服問屋『錦屋』の奥座敷である。
ひょんな事から用心棒をするハメになった。
それもこれも全てはあの賊のせいである。さっさと捕まってしまえ。
座敷娘はいない。
大の仲良しである錦屋の娘のところに挨拶に行くと言ってそれきりだ。
昨夜は拙者の話し相手になると来たくせにやれやれである。

それにしても流石は錦屋。見事な庭である。

とたとたと軽妙に廊下を誰かが歩いてくる。
この足音。どこかで聞いたことがあるような・・・。
と。奥座敷の障子が勢いよく開いた。
先『あーいたいた♡旦那ー♪』
仁『ぬ!?先見屋。なぜお主がここに???』
先『いやー、およめちゃんから春風の旦那が錦屋の用心棒してるって聞きましてね。』
仁『よめから。』
先『ええ。寂しそうだからよろしくって♪あ。これ差し入れ♪』
座敷娘(よめ)め。誰のお陰でこうなったと思っているのだ。
拙者は座敷娘に問答無用で用心棒をさせられているのだ。(それもこれもあの忌々しい賊のせいだが。)
それは兎も角、流石は先見屋。差し入れとは気が利く♪
その夜は未来国の話で大いに盛り上がった☆

次の日。
先『旦那ー☆珍しい人連れてきましたよー♪』
片『春風殿、お久しぶりでござる♪』
仁『片桐!?、どの。なぜお主がここに!?』
先『さーのみましょー♪あ、旦那はだめですよ。用心棒だから☆』
仁『待てまて!酒より片桐殿がなぜ・・・』
先『片桐さん、早く座って座って♪』
片『春風殿、お邪魔いたす♪』
仁『いや、なぜお主がここにい』
先・片『かんぱーい♡』
仁『・・・』

またまた次の日。

佐『かーうめぇ!流石は大店の錦屋さんだ。良い酒だぜ♪』
片『流石は江戸っ子。良い飲みっぷりでござる☆』
先『さあさあ遠慮はいりませんよ。どんどんやっちゃって下さい☆』
佐『すいませんね春風の旦那♪あっしまで御相伴にあずかっちまって♪この先見屋の旦那にばったりあっちまったのが運のつきでさー♪♪♪』
仁『・・・』
この者は大工の佐吉。拙者のいる長屋の住人である。
拙者は用心棒をしているのだが、なぜか酒宴になっている。拙者をぬきにして。
やれやれ。

またまた、また次の日。

さ『春風の旦那。陣中見舞いに来ましたよー☆手ぶらじゃなんなんでみんな手料理持ってきたんですよ。』
この女は“おさき”。佐吉の女房である。
その後ろに長屋の連中が犇めいている。
さ『さあさ、みんな。入った入った☆』
呉服問屋錦屋は今や宴会場になっている。
そして狂乱の宴が始まった。
拙者は用心棒をしていると言うのに・・・

そのまた次の日。

ドンチャンドンチャン♪
の『やす~ぅきぃ~♪♪♪』
佐『よっ!待ってました!やすきぶしの兄さん♪』
のノ字(のねずみ小僧)までまざっとる。
もう好きにしてくれ・・・
酒『賑やかですねー♪』
仁『ぬあ!?酒井!』
この酒井は南町の同心である。今頃は件の賊を引っ捕らえるために江戸中を血眼になって駆けずり回っている、はずである。
酒『あ~この煮物美味いな~☆里芋なんか絶品ですね♪』
仁『お主こんなところで何をしている!役目は、賊はどうした、賊は!』
酒『あー、その事ならもういいんです☆』
仁『もういい?どういう事だ???』
酒『実は昨日の晩、火盗改めが仕組んだ罠にまんまとひっかかってお縄になりました。』
仁『なに!それはまことか!?』
酒『ええ。廻船問屋の海屋に金塊があるって噂を流したんです。勿論火盗改めが仕組んだことですけど。それを真に受けて押し込んだところを御用。と言ってもあらかたそこで斬り捨てられ生き残ったのは“閻魔の源七”と言う頭目とその右腕の“橋三”の二人だけ。まあどちらも獄門でしょうけどね☆』
仁『そうか。捕まったか。』
酒『で、その賊なんですが、この錦屋さんを狙ってたらしいんです。』
仁『何、誠か!?』
酒『ええ。錦屋さんの間取りの絵図面がありましたから間違いないでしょう。ところが毎晩ドンチャン騒ぎしてるもんだから流石に凶悪な賊も押し込むに押し込めなくて、それでしびれを切らしてるところに海屋の噂を聞き付けてつい押し込んじゃったと。まんまと罠に掛かってあえなく御用。そんなわけです。あ、出汁巻き美味い♡』
仁『な、なんと・・・』
よもやこの錦屋が本当に狙われていたとは。
酒『さてと。じゃあ私はこれで。』
仁『うむ。わざわざすまなかったな。』
酒『いえいえ。錦屋さんに春風さんを用心棒にと推薦したのは私ですから。一応お耳に入れとこうと。あ、そうそう。そこのほっかむりの人。』
の・仁『(ドキッ!)』
酒『(ニヤリ)ドジョウすくいお上手だそうですね。今度ゆっくり見せて下さい。それじゃ♪』
そう言い残し酒井は鼻歌交じりで帰って行った。
のノ字(のねずみ小僧)は泥棒である。
一瞬、のノ字となぜか拙者も、ばれたかと思いドキッ!とした。
まったくこの酒井という男。何とも掴み所が無い。

ドンチャンドンチャン♪

にしても、このドンチャン騒ぎが功を奏するとは。世の中面白いものよな☆
拙者としては用心棒のような血生臭いことよりこちらの方がよいが。
なんにしてもこれでまた平穏な日々が戻ってきたわけだ。

仁『拙者も一杯やるか。』
よ『何を仰せです!春風様はお酒は駄目です。用心棒としての自覚は無いのですか。』
先『そうそう、およめちゃんの言うとおり☆旦那はお茶で我慢して下さい☆』
仁『用心棒はしまいじゃ。いましがた南町の酒井殿が来て賊はお縄になったと知らせてくれた。』
一同『ええー!!!!!』
佐『それじゃ酒盛りは?』
先『終わりでしょうね。』
片『残念でござる~・・・』
先『と言うわけで最期の宴です。大いに盛り上がりましょー♪』
一同『おー♪』
なぜそうなる・・・
まあ取り敢えずは一件落着である☆

ちょ~ん♪(拍子木の音♪)

ではまた次回☆
これにて御免♪

仁さん夢物語☆二十三 賊

皆様ごきげんよう
お元気でござったか?
拙者は何時もの如くバタバタとしていてふと気づけば夏も終わりもう秋!の、はず(陽射しが強い☆)。
やりたいことの半分もできず『ぼけ~☆』と空を眺める今日この頃でござる( ´∀` )ぼけ~♡
然らば
『夢物語』
始まりでござる☆


錦『春風様。どうぞお召し上がりください。』
そう言い膳を運んできたのは錦屋の主(名は忘れた)である。
膳には酒とアテにしては豪華な御造りがのっている。
拙者はゴクリと唾を飲み込んだ。
仁『心遣い忝い。折角だが酒を飲んで後れを取ったとあっては面目がたたぬ。これは遠慮いたそう(涙)かわりに茶をくれ。』
錦『これはわたくしとしたことが。すぐにご用意を。』
そう言うと錦屋の主はそそくさと膳を下げていった。
ここは錦屋の奥座敷である。何を隠そう拙者は今、錦屋の用心棒をしている。というか、させられている。
話せば長くなるのだが、ここ最近、世を騒がせる盗賊が現れた。
賊は決まって大店ばかりを狙い恐ろしいことに人死も出ている。どうやら急ぎ働きで荒稼ぎをする乱暴な連中のようである。
急ぎ働きとは押し込み強盗の事である。
奉行所は勿論、火盗改め(火付け盗賊改め)も出張ってはいるが一向に賊の尻尾すら掴めない。
そうこうしているうちにまたしても賊が現れた。狙われたのはこの錦屋からそう遠くないところにある油問屋『あぶら屋』である。今度の所業は一番酷く主夫婦は勿論下男下女に至るまで皆殺しにされていた。
この事件を機に大店に限らずそれなりに繁盛している店は“用心棒”を雇いはじめた。町道場の師範や腕が立つと噂の浪人を先を争い雇いいれる。運良く大店に雇われれば金に糸目はつけぬし毎日豪華な食事でもてなしてくれる。雇われる側にしてみれば有難い事この上もなく、雇い手にしてみれば自らの命が掛かっているから必死である。
この話を聞き付け江戸中の浪人達が色めいた。自ら売り込みをする者もいるが、そう言う輩は大概食い詰め者で金と飯だけが目当ての為たいして働かない。剣の腕もからっきしでまことに嘆かわしい。
良くも悪くも“泰平の世”。侍が腑抜けになるには十分な緩さである。

さて、拙者の話しであるが。
別段金にも飯にも困っておらぬし賊は兎も角用心棒の話など何処吹く風ぞだった。
だったのだが・・・
☆ここから回想♪
今宵は仲秋の名月。天気も良さそうだし縁側で月を眺めながら酒でも飲むかとそんなことをぼんやり考えながら何時もの見廻り(散歩)から長屋に戻ると
よ『春風様!こんな大事なときに何をなさっておいでですか!』
・・・座敷娘にいきなり叱られた。
仁『何って何時もの見廻りじゃが。』
よ『こんな一大事に何を呑気な。さ、参りますよ!』
仁『参りますって何処へ???』
よ『錦屋様です。』
仁『錦屋?なにゆえ?』
よ『決まってます。用心棒です。』
仁『は?』
☆回想終わり♡

そんなわけでここにいる。
庭先から虫の声が聞こえる。
錦『お待たせ致しました。』
錦屋の主が茶を運んできた。
錦屋の目の下に隈が出来ている。おそらくはここ数日まともに寝ていないのであろう。いつ賊に狙われるか分からぬから致し方ないが。
錦『春風様が用心棒をして下さると聞いたときは本当に嬉しゅうございました。春風様がいて下されば鬼に金棒。これで安心して商いが続けられます。』
仁『・・・』
拙者が言い出したわけではないが。
錦『実は酒井様にも相談したのですがお役目の方が忙しく手が回らぬと言うことで。どうしたものかと思案したところ酒井様から用心棒を雇ってはどうかと言われまして。ですが私にはそんな当てもなく、そうしたら酒井様がすぐ近くにうってつけの方がいると春風様の名を。』
仁『・・・(酒井め)』
酒井と言うのは南町奉行所の同心で、ちょいちょい出てくる変わり者である。
錦『丁度そこにおよめさんが遊びに来られまして。』
仁『よめが。』
“よめ”とは拙者の家に棲みついた“座敷童子”の事である。座敷童子と言っても幼子の姿では無く十六、七くらいの娘の姿をしている。この座敷娘のお陰でいろいろと騒動があったがいまは落ち着いている。
錦『およめさんに用心棒の件をお話しすると二つ返事でご承知下さり『春風様は困っている人を決して見捨てたりはいたしません。すぐにつれて参ります。』と。いや~本当に安心致しました。春風様。改めて御礼を申し上げます。』
錦屋は深々と頭を下げた。
仁『そんなとこよりお主あまり寝てないのであろう。拙者のことは良いから休むがいい。』
錦『流石は春風様。まことにその通りで。賊が現れて以来心配で心配で、物音がするたびに目が覚めてしまって。』
仁『分かった分かった。後は拙者に任せ早く休め。』
錦『ありがとうございます。ではお言葉に甘えて。』
そう言うと錦屋の主は下がっていった。
やれやれ。そう言ういきさつであったか。

初秋とは言え夜は大分冷える。
障子を開けるとひんやりとした空気が流れ込みかすかに吹く風が虫の声をはこんでくる。
仁『いい月だ。』
空にはぽっかりと月が浮かんでいる。
まさかこんなことになるとは思ってもいなかったが、どうやら“仲秋の名月”は拝むことが出来た。
熱いうちに茶を頂こうと湯飲みに手を伸ばすとその横に山積みされた“とらやの羊羹”が!
流石錦屋。甘い物好きの拙者に大店らしい粋な計らい☆
では早速と湯飲みに手を伸ばす、手を伸ばす、手を・・・湯飲みがない???
よ『夜は冷えますね。こんな時は熱いお茶が一番。ね。春風様♡』
仁『うおっ!?よめ!いつのまに???』
先にも申したが“よめ”は妖怪座敷娘(童)である。
よ『お一人では寂しゅうございましょうからせめて話し相手にと思いまして。私も御一緒いたします。ね、春風様♪』
厄介事が増えた。


然らば今日はこの辺で。
これにて御免☆

ちょ~ん♪(拍子木の音)