浪人仁さんふらり日記

殺陣好きの役者にござる。拙者が興味を持った事を江戸言葉を交えながら記述致すでござる。

仁さん夢物☆二十 幕開け☆

2021年!
新たな年の始まりでござる!
今年も元気にやりたいことを明るく楽しくやる!でござる(≧▽≦)きゃー☆

では、『夢物語』はじまりはじまり~☆
ちょ~ん♪(拍子木の音)

正月元日。新たな年の始まりである。
今日は座敷娘を伴い神田明神に初詣に来ている。
神田明神と言えば江戸三大神社の一つに数えられる。
ここにはかの有名な平将門公が除災厄除の神として祀られている。天下分け目の関ヶ原の戦で家康公が勝利を収めたのは神田明神、すなわち将門公の御利益に違いないと言われている。
ほかにも縁結びの神で有名な大黒様。商売繁盛の恵比寿様が祀られている。
そんなわけで神田明神の正月は御利益にあずかろうと願う人々であふれかえりすし詰め状態の大賑わいである。
座敷娘は初詣に来るのは初めてらしくいつになくはしゃいでいる。
まるでそこらの同い年くらいの娘と同じに見える。
だが、妖怪である。
・・・。
ずっと以前から気になっていたのだが、神や仏のいる神社仏閣に妖怪が立ち入っても大丈夫なのだろうか。
幸せを運ぶ座敷娘(元座敷童)は特別なのだろうか。
よ『・・・さま。』
よ『・・るかぜさま。』
よ『春風様!!!』
仁『はっ⁉』
座敷娘が困ったような顔で覗き込んでいる。
よ『どうなされたのですか。このようなところで立ちん坊になられて。皆さんお困りになられてございますよ。』
仁『ぬ。』
振り返ると拙者の後ろには参詣人の大行列ができている。
仁『おおう⁉』
そんなこんなで無事参拝を終え先見屋たちと待ち合わせの茶屋で一休みすることにした。
よ『春風様は明神様に何をお願いなされたのですか?』
座敷娘が名物の団子をほおばりながら聞いてきた。まるで子供の様である。
仁『願掛けは他人には秘密じゃ。』
よ『ケチ。』
仁『(カチン)』
待て!落ち着け拙者。今日は新年正月元日!この程度で、ましてや小娘相手に怒ってどうする、怒って・・・こやつ八百歳だった!
よ『わたくしは春風様のところに来てからとても幸せです。』
仁『む。』
よ『あの己が何者かわからず闇の中を彷徨っていたころ。仲の良い妖怪仲間からお人好しで面倒見のいい人間がいると聞きおもいきって訪てみましたが・・・。来てよかった。』
お人好し・・・その妖怪連れてこい!(怒)
よ『本当は不安で仕方なかったのですよ。でもお会いしてそんな悩みは吹き飛びました。ああ。この人はいい人だって☆』
仁『・・・』
よ『ですから明神様にお願いしたんです。この幸せな日々がずぅーとつづきますようにって。春風様!これからも末永くよろしくお願いいたします☆』
・・・ふ。
仁『相分かった。』
先『あ~いたいた☆おまたせしました!』
片『春風殿、お待たせいたした!』
丁度先見屋が片桐とともにやってきた。
仁『遅いぞ先見屋。』
先『すいません。鳥居のところで変なお坊さんにつかまっちゃって。』
仁『坊主?』
片『さよう。身なりからして旅の坊主と存じるがおかしなことに刀をしょっておりましてな。』
先『そのお坊さん、春風様とおよめちゃんの事を根掘り葉掘り聞くもんで困っちゃって。旦那お坊さんのお知り合い、います?』
仁『いや。で、何と答えたのだ。』
先・片『知りません。』
みんなで爆笑!
先『旦那たちお参りは?』
仁『もう済んだ。』
先『え~。およめちゃん何をお願いしたんですか?』
よ『うふふ。内緒♡』
先『あちゃ~☆』
片『ははは。さ、先見屋殿。某達も早く済ませましょう。』
先『そんなに急がなくても神様は逃げやしませんよ~。』
片『さあ急いだ急いだ☆』
まったく新年早々賑やかなことである。
願わくばこの平穏で楽しき日々が永く続きますように。

拙者のこの願いはもろくも打ち壊されてしまうのだがこの時はまだ知るよしもない。

チリーン。

つづく

ちょ~ん♪(拍子木の音)

ではまた次回☆
これにて御免(≧▽≦)☆