浪人仁さんふらり日記

殺陣好きの役者にござる。拙者が興味を持った事を江戸言葉を交えながら記述致すでござる。

仁さん夢物語 参 ☆サンドイッチ☆

外は雨。
この時期は田に水が張られ蛙が昼夜問わず歌を歌う。
拙者は蛙の声を聴くの好きである。
湯船に浸かり遠くきこえる蛙の声が特に気に入っている。
心癒されるひと時である( ̄∇ ̄)♪

さて、久しぶりの『夢物語』でござる☆
お楽しみあれ☆

ちょ~ん♪(拍子木の音)

今は春。
青空に白い雲。暖かな日差しに鳥の声。時折吹く風が心地よい。
拙者が縁側でのんびり春を楽しんでいると戸を叩く音がした。この叩き方は。
『先見屋か。』
勢いよく戸が開いた。
『旦那、美味いもの持ってきましたよ!』
当たりである。
どういう訳かこの男は拙者の事を気に掛けている。月に一度、この男の酔狂で拙者に『御馳走する日』と言うものがありタダでたらふく飲み食いをさせてくれる。誠に有難いことである☆
仁『美味いもの?』
先『今日のはすっごいですよ~☆一口食べたらほっぺたおっこっちまいます♪』
そう言って懐から取り出した物を拙者の前に差し出した。
先『さあどうぞ!』
それは葉っぱと黄の物と濃い桜色の物を白い饅頭の皮のような物で挟んだ三角の形をしたものである。
仁『・・・』
先『・・・』
仁『・・・』
先『・・・』
先『どうしたんです旦那?これと睨めっこなんかして。』
仁『ふ~む。』
拙者は以前、この男の持ってきた『せっけん』で酷い目に遭った事がある。それ以来、此奴の持ってくる『白い物』には些か腰が引ける。
先『やだな旦那。こいつはちゃんとした食べ物ですよ。あんときみたいに泡なんか出りゃしませんから安心して召し上がって下さい☆』
仁『誠か。』
先『誠です。』
仁・先『・・・・・・・』
仁『では遠慮なく。(ぱくっ)』
先『どうです?』
仁『美味い( ̄~ ̄)♡』
先『でしょう!良かったー、気に入ってもらって☆』
仁『これは何という物だ、もぐもぐ。』
先『はい、こいつはね『サンドイッチ』て言う異国の食べ物で、パン・・・饅頭の皮みたいなもので野菜とか肉とかを挟んで食べるんですよ。』
仁『ほほう。この黄の物はなんじゃ?もぐもぐ。』
先『そいつはチーズって言って牛の乳から出来る異国の食べ物ですよ。』
仁『ふむふむ、なるほどの。三つの食べ物が一度に味わえるから『三度一』か。粋な名じゃ、もぐもぐ。』
先『へっ?あっはっはっはっ。さっすが旦那!面白いこと言うなー☆(それだと『四度一』になるんだけど、ま、いっか)』
先『また美味いもの持ってきますね~☆』

三度一。覚えておこう☆

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ではまた次回。
これにて御免☆
ちょ~ん♪(拍子木の音)