浪人仁さんふらり日記

殺陣好きの役者にござる。拙者が興味を持った事を江戸言葉を交えながら記述致すでござる。

お猫様。

以前拙者は猫を飼っていた。しかも三匹。
皆、捨て猫でござった。
拙者が役目を終え頑張る式二輪車(自転車)で帰っていると線路わきの茂みに一匹の子猫が・・・!
思わず足を止め近づくと『にゃ~』『にゃ~』と奥からさらに二匹の子猫が⁉まさか伏兵がいるとは・・・(-_-;)
どうしたものかと思案していると一匹よろよろと線路の方へ。『待て待て、そっちは駄目じゃ!』と言って連れ戻す。ふと見るとまた線路の方へ⁉
『だから駄目じゃと言うて、あ・・・おぬし、目が・・・』
おそらく猫風邪をひいていたのであろうその子猫は目ヤニで目が塞がっている。
『・・・』
拙者の住まう長屋は動物を飼うことはできぬ。まあ、野良は山ほどおるのだが(近所の人が餌付けしちゃってる)
『どうしたものか・・・』
よく見れば三匹とも猫風邪をひいている様子。おそらくは飼い主殿が医者に見せるのを嫌い置き去りしたものと思われる。無責任である。
憤りを感じ立ち尽くしていると『にゃ~にゃ~』と、か細い声で鳴きながら拙者の足をよじ登ってくるではないか!(一匹はまた線路に向かっている・・・)
『いくぞ!』
そう言って三匹またぞろ合切袋に放り込み風邪の如く長屋へ!
一時子猫たちを大きめの紙箱(段ボール)の中に匿う。
遅い時間だったので医者も閉まっており取り敢えず自走式鉄駕籠(車)を借り必要なものを大急ぎで買い回り慌ただしく帰宅。お猫様たちの世話を始めたのである。
この日から戦でござる。
役目を終えると脱兎の如く帰宅。お猫様の世話。早起きしてお猫様のお世話。出仕しお役目を行う。終わったら一目散に帰宅。お猫様の世話。この繰り返しでござる。なかなかに忙しい・・・。
『もうすぐ医者に連れて行ってやるからな。がんばれよ。』
そして医者に連れていく予定の二日前。拙者の不手際で目の見えぬ子猫を死なせてしまった。
季節は梅雨に入った六月。この年は例年より肌寒い日が続いておった。何時もの様に朝の世話を済ませ寒いからと電熱式暖房器具(電気ストーブ)をつけ出仕。
少し嫌な予感はしていた。
昼になりその予感は的中した。気温が急に上がった。暑い!
二匹は大丈夫だろうが目の見えない子が!
お役目が終わると韋駄天走りに大急ぎで長屋へ!
戸を開けると案の定部屋の中はむっとする暑さだ。奥へ駆け込むと二匹の猫は部屋の隅へ避難していた。『あやつは!』
見るとそこには電熱式暖房器具の前から離れることができず脱水症状を起こして弱り切った子猫の姿が・・・
『すまん!すまん!死ぬな!』
両手で抱きかかえさすったり水を飲ませたりした。少し水を飲んだ。
『死ぬな!がんばれ!がんばれ!』
己の愚かさと申し訳ない気持ちとで頭がいっぱいになり、弱った子猫をただ水を飲ませさすりながら励ますことしかできなかった。
『にゃーーー・・・』
子猫は最後にそう鳴くと静かに息を引き取った・・・。
すまない猫。本当にすまない。安らかに・・・。
今思い出しても後悔と申し訳ないという気持ちでいっぱいになるでござる。涙が出る。

こうして最初三匹いたお猫様は二匹になったでござる。
この二匹。なかなかに曲者でかなり手を焼いたでござるよ。
まあ暴れる暴れる!また悪知恵が働くのよ(-_-;)
このハイパーお猫様の話はまた次回。

本日はこれまで。
これにて御免☆

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