浪人仁さんふらり日記

殺陣好きの役者にござる。拙者が興味を持った事を江戸言葉を交えながら記述致すでござる。

お猫様~旅立ち~

拙者のうちにいたお猫様の話である。
お猫様達と出会い早三月。
お二人とも(初めは三匹だったが拙者のせいで一匹亡くなった。)すくすくと成長なされた。
出会ったときは掌に収まるほどだったのに今では両掌でもおさまらぬ。おおきくなったものよ☆

そんなある日。『里親』が見つかった。

以前にも申したが拙者の住む長屋では動物は飼えない。
出会ったときはやむなく連れ帰ったが、里親を探しつつ元気になるのを待っていた(出会った当初、皆ねこ風邪をひいていた。)
今ではすっかり良くなり、やらねばならぬことはほぼやり終えた。(年端がゆかぬので去勢手術はできない)

里親様は拙者の知り合いの友であった。
『おぬしら喜べ!おぬしらをかわいがってくれる方が見つかったぞ!』
部屋の中を走り回り、時には物を破壊し、時には敷物の下に入り込み暴れまわり、時には拙者にへばりつき、ひっかき、かみつき。
あの傷だらけの日々がついに終わる。
・・・
何やら心の中に隙間風が吹き抜けた
手のかかるものほど愛しいとはこのことでござるな。

そして別れの日。
何時もの様に胡坐をかき、お猫様達を見ておるとお二人とも拙者の膝の上に・・・
小さき頃ならいざ知らず、この頃では拙者の膝の上にくることなどほとんどなかったのに。
お二人とも別れを察したのかな・・・。

そしてお二人は里親様のところへと旅立って行かれた。

最初の話では知人の友の友のところへ『姫君』だけがもらわれていくという話だったのだが『若君』を見た知人の友が『若君』を気に入られそのまま連れて帰られた☆
こうしてお二人のお猫様は拙者の元を離れそれぞれ新しい家族のもとへとゆかれ、いまも幸せに暮らしておられる様子。誠にめでたしめでたし。

その後。
拙者がしばらくの間、寂しくてしょうがなかったのは言うまでもない・・・。
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