浪人仁さんふらり日記

殺陣好きの役者にござる。拙者が興味を持った事を江戸言葉を交えながら記述致すでござる。

仁さん夢物語☆十二 浪人☆

今日のおやつはこれだー!
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いくつか種類がござるがやはり昔からある真ん中の赤いの!これが一番!
例のように牛乳がよく合う☆
ヽ(≧▽≦)/あうー☆
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♪キャラメールコオ~ン
♪ホホウ ホホ~

じゃ、『夢物語☆』はじまりでござる☆
ちょ~ん♪(拍子木の音)

先『さー旦那。早く早く。』
今日は恒例の『先見屋が拙者に御馳走する日』である。
なぜか此奴は拙者に御馳走する事を楽しんでいる。
よくわからぬが拙者にとっては有難いことこの上ない。
ただ何時もより先見屋が浮かれているように見える。さては何か“お目当て”があるのかも知れない。
仁『まてまて。店には話をつけてあるのであろう。ならば急ぐ事もあるまい。』
先『駄目です!急がないといなくなっちゃいます!』
仁『いなくなる?なにがじゃ。』
先『いいから旦那、急ぎましょう!』
仁『ははー。さては先見屋。お目当ての女中でもおるのか。』
先『は!?そ、そ、そ。そ、そ、そ、そんなわけ無いじゃないですか。』
仁『にやり』
先『は、早く行きましょう!』
仁『はははは。』
と、道の真ん中に人集りが出来ている。何事であろう。
先『あら何でしょうね。』
仁『さて、何事かの。』
先『ちょいと聞いてきますね。』
そう言うと先見屋は人集りの中へ。そして直ぐに駆け戻ってきた。
先『旦那だんな、旦那の出番ですよ!』
拙者は訳も分からず先見屋に手を引かれるがままに人集りの中へ。
その中心には浪人が一人、直立不動で空を仰いでいる。
先『あの御浪人様、半時以上もあのまんまなんですって。』
仁『半時?』
先『ええ。聞いた話じゃあの御浪人様、ふら~と現れて空を見上げたと思ったらそのまんま動かなくなっちゃったそうで。』
仁『なぜじゃ?』
先『さあ。てなわけで旦那。お願いします。』
仁『は?』
先『は?じゃありませんよ。相手は御浪人様。何かお考えがおありかも知れませんし下手にあたしらがお声を掛けて『無礼者!』ってバッサリってこともあるかも知れないじゃないですか。そこはそれ、餅は餅屋で御浪人様同士、旦那にお願いするのが一番!と思いまして。』
仁『面倒じゃのう。』
先『さ、旦那。いったいった♪』
此奴、面白がっておるな。まあこのままにしておく訳にもいかぬし仕方ない。
仁『そこの御仁。このような往来で如何なされた。』
浪人『・・・』
仁『御仁。』
浪人『・・・』
仁『?』
返答がないどころかピクリとも動かない。
仁『何か困ったことでも・・・』
そう言って近付いた途端、
浪人『(ぱったり)』
その場に倒れてしまった。
全員『わー!!!!!』


浪人『ガツガツ!むしゃむしゃ!ごくごく!ぷはー♪』
ここは先見屋が『拙者に御馳走する日』の為に用意した料亭の座敷である。
そしてこの“豪快に喰いまくっている者”こそ、先程まで道の真ん中に突っ立っていた浪人である。
まあ察しの通り流れ者で路銀はとうに底を尽き五日も飲まず食わず。どうにか江戸に辿り着いたはいいが空腹のあまり身動きとれなくなり立ったまま気を失いあの騒ぎとなった。
と言うわけである。
詳しい事はあとで聞くとして取り敢えずは『飯だ!』と言うことになった。
先『そんなに慌てなくても誰もとりゃしませんから、ゆっくり召し上がって下さい。』
浪人『忝い!忝い!忝い!』
先『旦那も遠慮無くやって下さい。なんたって今日は旦那の日なんですから☆』
仁『旦那の日(そう言う宴なのか)』
浪人『ふー。喰った喰った。いや誠に忝い。お陰で助かった。この恩は必ずお返し致す。』
先『いいですよそんなの。あたしが好きでやってる事ですから。』
浪人『誠に忝い。申し遅れたが某、名を片桐壮九朗と申す。』
先『あたしは『よろず先見屋』の店主で名前は・・・面倒なんで先見屋と呼んで下さい。こちらは春風様。あたしを懇意にしてくださってる方で剣の達人です。』
片『春風殿、先程はお手数をおかけ致した。改めて礼を申す。』
仁『困ったときはお互い様。礼には及ばぬでござるよ。』
片『忝い。』
先『ところで片桐様はどちらからいらしたんです。みたとこ長旅だったご様子ですけど。』
片『詳しくは言えぬのだが西から、とだけ申しておこう。』
先『西から。で、江戸にどなたかお知り合いでもいらっしゃるんですか?』
片『済まぬ。それも言えぬのだ。』
先『何か事情がおありなんですね。よかったらあたしが・・・』
仁『先見屋。』
拙者は先見屋を制した。
仁『この者が立ち入った事を聞きもうした。申し訳ない。』
先見屋はよかれと思って聞いたのである。力になれることがあればと。いわば親切心である。
それは分かっている。
だが人にはそれぞれ事情があり誰にも言えぬ事もある。侍(浪人)ならなおの事である。
片『助けて頂いておきながら何も申せないのは誠に心苦しいのだが・・・』
先『いえいえお気になさらないで下さい。じゃ、お代は払って下さいね☆』
仁・片『なぬ!?』
先『冗談ですよ、冗談。あっはっはっはっ☆』
そんなこんなで宴もお開きとなり片桐にうちに泊まれと誘ったのだが断られ、先見屋も同様に断られた。二人とも頑なに断られた。
そして片桐は深々と頭を下げると夜の闇へと消えて行った。
長屋に戻ると丁度縁日から“よめ(座敷娘)”が帰ってきた。呉服問屋『錦屋』の娘すみと仲良くなり茶店に行ったり芝居見物に出掛けたりするほどだ。
その土産話を延々と聞かされ床についたのは明け方近くであった。
次の日。
目覚めたのはもう昼近く。よめはもう何処かへ出掛けたようだ。
頭が重い。昨日の酒がまだ残っている。
井戸で顔を洗おうと外に出てびっくり!
片『おお春風殿!おはようでござる!』
仁『な、な。』
なぜお主(片桐)がここにいる!?←声にならない。
大家『おや春風様。ずいぶん遅いお目覚めで。』
仁『お、お、大家殿。此奴は、此奴は、』
大家『ああ。この方は片桐様と言って今日からこの長屋にお住まいになりますのでどうぞよろしくお願い致します。』
お住まいに、なる・・・!?
片『春風殿。よろしくお願い致す!』

長屋がまた賑やかになった・・・。

ちょ~ん♪(拍子木の音)

ではまた次回☆
これにて御免(≧▽≦)☆

おやつ

残暑厳しい九月でござる☆
日中の暑さは尋常じゃなく、朝方涼しい(と言うか肌寒い)
体をこわすにはうってつけの季節でござる( ̄∇ ̄;)

拙者は甘い物が好きでござる☆
不動の頂きに君臨するのは『ぼた餅』
あんこと餅米の絶妙な味わい☆
こしあんでも粒あんでもどちらでも良い☆
因みにこの『ぼた餅』
季節によって呼び名が変わるのじゃが御存知か?
牡丹の花の咲く季節は『ぼた餅』
萩の花が咲く季節は『おはぎ』となる。
『あんころ餅』と呼ぶところもある☆

ぼた餅最高!でござるヽ(≧▽≦)/にゃー☆

ほかにも好きなモノがござる☆
よく食べる『かりんとう』と『いもけんぴ』
いやさホントに美味い( ̄~ ̄)♪
最近では砂糖をまぶした『白かりんとう』がお気に入り☆
特にお気に入りなのがこれ☆

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少々値が張るがその分美味い!
以前は、かりんとうと玄米茶が鉄板の組み合わせでござったが今は“牛乳”との組み合わせが多い☆

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かりんとうのサクサク食感に砂糖の甘み。そこに牛乳を含む!
途端にお口の中に広がる何とも堪らぬハーモニー♡
ぜっっっぴんでござるヽ(≧▽≦)/くはー☆☆☆
是非お試しあれ☆


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美味しいもの食べたい!でござるヽ(≧▽≦)/☆

拙者は週に一度か二度、晩酌を致す。
もっぱら発泡酒と言われる物である。

お気に入りはこれ☆

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発売当初に『家族の店(ファミリーマート)』のくじに当たってからというものずっと愛飲してござる☆
何度か味も変わってしまったが拙者は発売当初の味が好きでござった。

さて。
晩酌で欠かせない物は“肴”である。“アテ”ともいう。
拙者はだいたい“乾き物”を肴に致す。
中でも一番多いのが千切りジャガイモのピリ辛揚げ『カラムーチョ』である☆
あの辛さといい食感といい酒にあう!
さらに一手間かけ“まよねーず”をかけると激ウマ!申し分なし!

さて先日のことである。
いつものように晩酌の買い出しをしていたところ、カラムーチョが鎮座している棚に変化が起きた!
普段は縦並び、二段にカラムーチョ様が鎮座しているのだがその日は何と!
上の段にはカラムーチョ様の新商品
『海苔カラムーチョ』様がおわすではないか∑(O□O; )ふあ!?

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拙者の思考が停止し見つめることしばし。
ハタと我に返り、まるで神田祭の賑わいのようにざわつく心を抑えながら『海苔カラムーチョ様』を恐る恐る籠の中へ☆
帰宅するやいなやはやる気持ちを時には抑え、時にはそらし。稽古を済ませ、やるべきをやり、夕餉を食べ風呂に入る。
『心ここにあらず。』
なにも身に入らぬ。頭の中は『海苔カラムーチョ様』一色!

そして遂にその時は来た!

満を持していざ!晩酌ヽ(≧▽≦)/やたー☆☆☆

『海苔カラムーチョ様』~・・・
開封ーーーーー!!!

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開封と同時に良き海苔の香りが拙者を襲う。
『ぬあっ!兵!』
ざっと皿にあけると拙者の身も心も、部屋の中までも海苔の良き香りに満たされていく。
『辛抱堪らぬ!』
我慢の限界に達した拙者は『海苔カラムーチョ様』をつまみ口の中へと放り込む!
『うっま~~~~~い♡♡♡』
心地よい海苔の香り、海苔の風味が口の中に広がる。
さらにその辛さは絶妙で後を引く美味さ!
酒がすすむ(´¬`)
『参りました!』
海苔、最強でござる(≧▽≦)☆

皆様方も是非お試しあれ☆

ではまた次回☆
これにて御免☆☆☆

仁さん夢物語☆拾壱 『名前』

昨日の夕刻の雷雨は凄まじかった。
強風が黒雲を呼び嵐が来るぞ!と言わんばかりに"天の剣"が空を切り裂いた。次いで大粒の雨が降り注ぐ。
嵐が去るまで一刻ほど。
その間に幾度も巨大な雷(いかづち)が轟音を轟かせ暴れまわった。
その迫力に恐怖しつつも憧れすら抱いてしまう。
大自然の前では人など小さきものでござるな。
いや誠に見事な雷様であった!

おへそ取られちゃう(笑)

では『夢物語』始まりでござる☆

ちょ~ん♪(拍子木の音)


拾壱話 『名前』

『納得できませぬ!』
そう言ったのは拙者の家に居候している妖怪”座敷娘”である。
この”座敷娘”と言うのは元は幸せを呼ぶと言われる妖怪『座敷童』だったのだが、どういうわけか成長してしまい行き場を失ったらしい。
それで妖怪の間で評判がいい(なぜ妖怪に評判がいいのかわからぬが)拙者の家に突如押しかけ無理やり棲みついてしまったのだ。
初めは家出娘か何かだと思い番屋に引き渡そうかと思ったのだが本物の”妖怪”ではそれも叶わぬ。困ったものである。
話を戻す。
先ほど町道場での雇われ指南から帰ると何時もの様に部屋の真ん中に”ねこ(へんてこな生き物)”とともにちょこんと端座する座敷娘が出迎えた。
ただいつもと違うのはなぜか不機嫌で『お帰りなさいませ』の代わりに『納得できませぬ!』と言われたことだ。
仁『は?』
娘『は?ではございませぬ!納得できぬと申したのです!』
仁『いやいや、何のことかさっぱりわからぬ。』
娘『名前でございます!』
仁『なまえ?』
娘『春風様は、もじゃちゃんに『ねこ』と言う立派な名前をおつけになってます。それにひきかえわたくしは、
ここに来てもうひと月にもなろうかと言うのに未だ名もなく、お呼びになるときには娘、娘と。口惜しゅうございます・・・』
そう言いながら座敷娘は目に涙を滲ませている。
・・・面倒くさい。
娘『めんどくさいと思いましたね。』
仁『⁉』
こ奴、人の心を読むのか・・・(-_-;)
仁『い、いやすまぬ。妖怪に名があるとは思わなんだ。てっきり座敷娘が名とばかり思っておった。』
娘『ございますとも!例えば、ゲゲゲの鬼〇郎とかゲゲゲの鬼〇郎とか、あとゲゲゲの鬼〇郎とか』
仁『みな一緒じゃな。』
娘『兎に角わたくしも名前がほしゅうございます!春風様、どうかわたくしにも良き名前をおつけくださいませ!』
仁『よわったのう。人(妖怪)の名など考えた事もないからのう・・・。』
娘『さ、春風様。』
仁『う~ん。』
娘『わくわく』
仁『う~ん。』
娘『わくわく』
仁『ぬうううううううう。』
娘『春風様、はやくー!』
仁『そう急かすな。今思案しておる。』
娘『春風様!』
仁『あ!”よう”はどうじゃ!』
娘『いやです。』
仁『では”かい”』
娘『いやです!妖怪の文字をばらばらにしましたね。』
仁『名をつけるなど向かぬのじゃ。あれ(へんてこな生き物)に”ねこ”とつけるくらいじゃぞ。』
娘『春風様ならできます!わたくしの為に良き名前を!』
仁『む~ん。そう言われてもの~・・・』
娘『春風様、しっかり!』
仁『ようかい・・・ざしきわらし
娘『娘です。』
仁『お!頭文字と言葉尻をとって”よめ”!』
娘『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
仁『いや、ないなこれは。無いない・・・』
娘『頂戴いたします!』
仁『は?』
娘『ありがとうございます、春風様!』
仁『え?え?』
娘『”よめ”。”よめ”。”よめ”。ああ~なんと心地よい響き。まるで春風様の奥方になったよう。』
仁『い、いやいや待て待て!はやまるな!その名はよせ!もっと良い名を考えるからしばし待て!』
娘『いいえ。わたくしはこの名前が気に入りました。ほかの名前などいやでございます。』
仁『いや待て!その名ではまた面倒なことに・・・』
娘『今日これよりわたくしの名は”よめ”にございます。不束ではございますがどうぞ末永くよろしくお願いいたします。』
仁『いや待て、待てというに!その名では・・・』
そこへ先見屋が元気よく戸を開ける。
先『旦那いらっしゃいます~☆』
仁『⁉』
先『あーいたいた。”黒い雷”っていう異国のお菓子もってきましたよ~。』
仁『・・・』
先『どうしたんです?石みたいに固まっちゃって。』
仁『ん。いや、何でもない。』
考えてみればあの娘は滅多に人前に姿を現すことはない。ならば人前で名を呼ぶ事も無い。
そうだそうだ。
さして気にすることでもないな。
先『どしたんです旦那。いつも以上に変な顔しまくって。』
仁『余計なお世話じゃ!』
先『?????』
仁『ほう。これが”黒い雷”か。成程、真っ黒じゃな。まさか口に入れると”せっけん”のときの様になるのではあるまいな。』
先『やだな旦那。そんな昔の事覚えてたんですか。大丈夫ですよ。おいしいですからどうぞ。』
仁『かたじけない。』
”黒い雷”を口に入れると今までに味わったことのない砂糖とは違う甘さが口の中に広がる。少し苦みがある。
噛んでみるとサクサクとまるで麩菓子のような歯ごたえの物が練り込んである。
旨い。
例えるなら”軽いかりんとう”と言ったところか。確かに衝撃的である。
先『ところで旦那。この間の娘さん、どちらさまです?』
仁『ぶー!』
先『わー!』
仁『む、むすめ。』
先『(拭き拭き)もったいないな~もー。』
仁『む、む、娘とは何の事じゃ。』
先『え~。ほらこの間”のノ字”と宴会やった時に居た娘さんですよ。酔っぱらってたんでよくは覚えてないんですがね。か~わいい娘さんだったな~。あたしお酌してもらったんですよ☆どこの誰なんです。この長屋の娘じゃないですよね。』
仁『い、いや覚えておらんな。』
先『何言ってんですか。旦那の横にピッタリくっついてたじゃないですか。あ~☆ひょっとして旦那のこれですか。』
仁『たわけ!』
先『冗談ですよ冗談。あーあ。いたらこれあげようと思って持ってきたんだけどな~。』
仁『なんじゃそれは?』
先『へっへっへっ。こいつはね異国のお菓子の中でも極上の、それも貴族・・・旗本以上じゃないと口にできない”ケーキ”っていう名のお菓子です。あま~くてフワッフワでほっぺたおっこっちゃいますよ☆』
仁『ほーう。』
先『あげませんよ。でもなー。いないんじゃなー。』
娘『ここにおります。』
そう言って座敷娘改め”よめ”が縁側に姿を現した。
仁『なに⁉』
先『あ~娘さんいたー♡もー旦那。いるならいるって言ってくださいよー。人が悪いなー。』
仁『・・・』
先『この間はど~も~。先見屋と申します。これ。異国のお菓子で”ケーキ”って言います。お近づきのしるしにどうぞ☆』
よ『まあ。これは御丁寧にありがとうございます。わたくし春風様のお屋敷に御厄介になっております”よめ”にございます。』
仁・先『⁉』
先『よ・め。』
拙者と顔を見合わす先見屋・・・。
仁『待て先見屋!これにはわけが・・・!!!』
拙者が止めるよりも早く先見屋は風の様に表へ躍り出た!
先『皆さん聞いてください!春風の旦那が奥方様を娶られましたよー!!!』
長屋の住人達『ええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!』

この後長屋の住人をはじめ大家、町名主、行きつけの飯屋、呉服屋、果ては定廻りの同心までもが挨拶やら祝いの品やらをもって訪れた。
そのたびに壱からあれこれと事情を話し誤解を解くのに苦労したことは言うまでもない。
まあ流石に本当のところは話せないので昵懇にしている者の娘で仔細は言えぬが暫く預かることになった。と言う事にしている。
それでどうにか収まった。
ただこの先思いやられるのは”座敷娘”のことがみなに知れ渡った事である。

ちょ~ん♪(拍子木の音)

ではまた次回☆
これにて御免!

春風流剣術(殺陣)の基礎 其の弐でござる☆

ここ2,3日、長屋に籠り色々とやるべき事を片付けている。
あれやこれやとやっていると突然『ふらっ』と倒れそうになった。
・・・
意識ははっきりしている。だが体の方が何やらフワフワしている。
これが"熱中症"というものか。
なるほど。気付かぬうちに限界を超えてしまうのだな。これは恐ろしい。
拙者は幸い大事には至らなかった。

皆様もどうぞお気を付けを☆

されば剣術(殺陣)の基礎、つづきでござる(≧∇≦)☆

youtu.be

剣術(殺陣)の基礎の基礎☆

夏である。
八月に入ってからというもの誠に暑い!
地獄のような猛暑でござる。
幾日か前に嵐のような雷雨があった。
”日光名物”の杉の木の大木が何本がぽっきり(そんなかわいい物ではないが)折れていた。

さて、先日拙者の剣術(殺陣)の基礎の基礎を動画にて撮影しようやく編集が終わったので投稿致す。
あくまでも参考程度でこれを見たからと言って剣術(殺陣)ができるようになるわけではないので悪しからず。

では、以下に張り付けております故お楽しみくだされ☆

春風流 剣術(殺陣) 基礎 其の壱
youtu.be

仁さん夢物語☆拾 え!?

暑い!
どうやら梅雨は明けたようだが蒸し暑い。
やはり夏である。
気を付けねば熱中症とやらになりかねない。
イカでも買いに行くか☆

しからば『夢物語』はじまりはじまり~☆

ちょ~ん♪(拍子木の音)

猛暑の中、久々に近くの池に釣りに出掛けた。たいして大きな池ではないが鮒がよく釣れる。うまくすると鯉が釣れることもあると言う。もっとも拙者はトンとお目に掛かったことは無いが。
池の畔にある大きな栗の木の下が拙者の漁場である。特にこんな陽射しの強い日には誠に良い日陰となり絶好の場所である。
拙者としては魚が釣れようが釣れまいがどうでも良いのだが釣れぬとお供の者が許してくれそうに無い。
ね『にゃあ☆』
仁『分かっておる。何としても釣れと言うのであろう。任せておけ。』
ね『にゃ~☆』
そう。お供というのは此奴、“ねこ(ヘンテコな生き物)”である。
拙者には毛むくじゃらで黒眼鏡をしたおかしな生き物にしか見えぬのじゃが他の者達には『猫』に見えるらしい。それ故『ねこ』とでも呼ばぬと収まりが悪い(それでも収まりは悪いが)
さて、かれこれ半時ほどこうして釣り糸を垂らしておるがいっこうに釣れる気配が無い。
そういえば出がけに座敷娘が何か言っておった。
!これはまずい・・・。
なにがまずいかと言えば、そう。長屋を出るときに座敷娘に啖呵をきってしまったのを忘れていた。出掛ける間際にこんなやりとりがあったのだ。
娘『わたくしは参りませぬ。こんな暑い日に外になど出たらお肌が焼けてしまいます。』
仁『いや、釣りに参ると言っただけでお主に来いとは言っておらぬ。』
娘『春風様はことあるごとに釣りにお出かけになられますが一度もお魚をお持ち帰りになられたことは御座いませんね。』
仁『釣れる日もあれば釣れぬ日もある。それが釣りと言うものだ。』
娘『怪しゅう御座います。釣りに行くと言ってその実、何処かわたくしの居ないところで羽を伸ばされているのではありませぬか。』
仁『待て待て。何故そうなる。誠に釣りじゃ。』
娘『では証拠をお持ち下さいませ。お魚の一匹でもお持ち帰りになれば疑いも晴れると言うものでございます。』
仁『分かった分かった。釣ってくれば良いのじゃな。目玉が飛び出るほどの大物を釣って参るから待っておれ。』
娘『誠にございますね。約束でございますよ。』
仁『武士に二言は無い。任せておけ。』

と言う訳である。
やれやれ┓( ̄∇ ̄;)┏
それにしてもあやつ妖怪の居候なのにこれではまるで女房のような物言いではないか。
童一『わあ、猫だ!』
童弐『毛がふさふさの猫だ!』
童達『この猫お侍さんの?』
仁『如何にも。』
童一『名前なんて言うの?』
仁『ねこじゃ。』
童達『ねこ~?変な名前~☆』
仁『誠にの』
童弐『遊んでもいい?』
仁『良かろう。乱暴にはあつかうな。』
童達『わーい!ねこ、遊ぼー☆』
童一『猫じゃらし~☆』
童弐『ねこねこじゃらし~☆』
童達『ねこねこ~☆』
童一『ねこ~☆』
童弐『ねこって名前の猫~☆』
童一『ねこねこにゃー☆』
童弐『ねこねこにゃー☆』
童達『ねこねこにゃー☆にゃーって鳴いて☆ねこねこにゃー☆』
童一『にゃー☆』
童弐『にゃー☆』
童一『にゃー☆』
童弐『にゃー☆』
童一『にゃー☆』
童弐『にゃー☆』
童達『にゃー☆☆☆』
ね『うるせえよ』
仁・童一・童弐『え!?』
・・・・・
童達『わー猫がしゃべったー!!!!!』
童達は一目散に逃げて行った。
仁『・・・お主、今・・・』
ね『にゃあ~☆』
・・・・・・・・・
このあとどうにか小鮒が釣れ座敷娘の誤解は解けた。
“ねこ”がしゃべった事は黙っておこう。

ちょ~ん♪(拍子木の音♪)

ではまた次回!
これにて御免(≧▽≦)☆
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仁さん夢物語☆九 てんやわんや

長梅雨でござる。
今日もきょうとて♪あーめがしとしと降っていた~。
カビが生える。拙者に☆

では夢物語始まり始まり~☆

ちょ~ん♪(拍子木の音)

蝉がせわしくなく夏の午後。
今日は拙者行きつけの町道場からお声がかかり久し振りに剣(木刀)を振りに出向いている。町道場、と言っても限りなく町外れにあるのでそこへ剣術を習いに来るものと言えば町人、博徒、百姓が主で時折大店の若旦那や庄屋の倅が顔をだす程度である。
こう見えて拙者は些か腕に覚えがある。それだけに町人、百姓相手では物足りぬ。物足りぬがいくらかにはなる。拙者は今、多少なりとも稼がねばならぬ。
そう!居候が増えたからだ!
あのヘンテコな生き物(拙者は“ねこ”と呼んでいる)はまあ仕方が無い。だが驚いたことに、あの娘、座敷娘も食べるのだ!御飯を!妖怪なのに!
それ故拙者は稼がなくてはならなくなったのだ・・・
さて、道場を後にしたのは日が傾き始めた頃である。
炎天下の日中に比べると大分涼しい。吹く風が心地よかった。
長屋に着いた途端佐吉が勢いよく飛び出してきた。佐吉は大工で拙者の隣に住んでいる。
佐『あ!春風の旦那!聞いてくだせえ!めざしがこれになりやした!』
そう言って佐吉は一分銀を見せた。
仁『一分銀。めざしがか。』
佐『あっしも驚いたのなんのって。めざしで一杯やろうと思って酒をとりに行って戻ったらめざしがこいつに化けてやした!』
仁『そんな馬鹿な。』
佐『こいつはきっと神様が下さったに違えねえ。ありがてえありがてえ☆
てなわけで、あっしは今からこいつを元手に一稼ぎしにいってめえりやす。なあにスッても元はただのめざしだ。猫に取られたとおもやあどうってことねえってもんだ。それじゃ旦那、あっしはこれで。』
佐吉はそう言うと意気揚々と走り去った。
仁『神様のう・・・』
なんとなく嫌な予感がしながら拙者は戸を開けた。
仁『ただい・・・』
娘『ほーらもじゃちゃん。お魚ですよー。』
も『にゃー♡』
ぬ、めざし!?
仁『それはどうした。』
娘『あ、春風様、お帰りなさいませ。お稽古は如何でございましたか。』
仁『稽古はいつも通りじゃ。それよりその“めざし”はどうしたのだ?』
娘『これでございますか。お隣様からいただいて参りました。』
仁『隣から(やはりそうか)』
娘『あ、でも盗んだわけでは御座いません。ちゃんとお代はおいて参りました。』
仁『さようか。しかしお主、よく銭を持っておったな。』
娘『それが春風様のお留守の間に御屋敷の掃除をしておりましたら不思議なことに行燈の下から出て参りました。』
仁『な、行燈の下!?(それは拙者のへそくり~。)』
娘『おかげでお魚を買うことが出来てよかったですわ。もじゃちゃんもお腹をすかせておりましたから。』
仁『・・・さようか』
そうか、佐吉の一分銀は拙者のへそくりであったか。通りで胸騒ぎがしたわけだ。そうか、そうだったのか・・・
拙者の一分ぎーーーん(T T)
ん?“もじゃちゃん”・・・
仁『お主そやつ(ヘンテコな生き物)を“もじゃちゃん”と呼んでおるが、もしやそやつの姿が見えるのか?』
娘『?当たり前ではございませぬか。なにをおかしな事を仰っているのです。』
長屋の連中には“猫”に見えるようだが成る程、妖怪には正体が見えるのか。とするとあやつ(ヘンテコな生き物)も妖怪の類いなのか。考えてみればこのような毛むくじゃらで黒眼鏡をした生き物が現世のものとは疑わしい。妖怪の類いであれば得心がいく。
娘『よしよし、かわいい“猫”ちゃん♡』
仁『ねこ!?猫に見えるのか!』
娘『先程からどうなされたのです。何処から見ても毛がふさふさの猫ちゃんではございませぬか。』
仁『さ、さようか・・・』
妖怪にも猫に見えるのか。ではこやつ(ヘンテコな生き物)はいったい。
そこへ先見屋がやってくる。
先『旦那ー!』
咄嗟に姿を消す座敷娘。
先『あれ~誰かいると思ったんだけどなー。あー!もじゃちゃん元気だったー♡♡♡』
仁『もじゃちゃん・・・』
先『そういや旦那、さっきまた“のねずみ小僧”が出たみたいですよ。』
仁『のねずみ小僧。あー、あの間抜けな盗っ人か』
の『ひでー言われようだな。』
仁、先『!?』
のねずみ小僧が天井からこちらを覗いている。
仁『な、な、な!何時からそこにいた!』
先『役人!お役人様を呼ばないと!』
の『ちょちょちょ、ちょっと待ったちょっと待った!あっしは別に盗みに来たわけじゃねえですよ。』
仁『では何をしに来た!』
の『つれねえなあ。お忘れですかい?一緒に呑みてぇって言ったじゃねえですかい。』
仁・先『はあ?』
の『で、呑みに来ましたぜ。』
そう言うと、のねずみ小僧はストンとおりてきた。まがいなりにも盗っ人。身軽である。いつもと違うのは千両箱ではなく酒徳利を持っていることだ。
の『こいつは盗んじゃいませんよ。ちゃんと買ってきたもんでさあ。』
先『灘の酒じゃないですか!』
の『お!そっちの兄さんいける口だね。まーいっぺえやんなせー。』
先『ありがとうございます!旦那。せっかくなんで呑みましょ呑みましょ♪』
仁『・・・』
そしてどんちゃん騒ぎは始まった。
途中佐吉(拙者の一分銀を元手に稼ぐつもりだったが全部スッた)も加わり狂乱の宴は夜通し続いた。
拙者もやけくそでへべれけになるまで呑みまくった。途中、座敷娘もいた気がするがもうそんなことはどうでも良い。
まったく、てんやわんやの一日であった。

ちょ~ん♪(拍子木の音♪)

ではまた次回☆
これにて御免( ´艸`)
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